ある・みるメディアおすすめ! ものづくり映画9選
ハンドメイドのシーンや職人などの作り手が登場する映画、あなたはいくつ思い浮かぶでしょうか。ある・みるメディアでは、これまで度々ものづくりが登場する映像作品をご紹介してまいりました。
今回はこれまで紹介した映像作品を、コミックスの時と同様にハンドメイドのジャンルごとに改めてご紹介いたします。
■洋裁
今回も最初にご紹介するのは洋裁。美しい布の質感や仕立てる描写が見どころの3作品をご紹介いたします。
織りなす感動と手仕事の美学:映画『テーラー 人生の仕立て屋』が紡ぐハンドメイドの物語
主人公のニコスは厳格な仕立て屋の父とともに二人三脚で高級スーツの仕立て屋を営んでいた。不況により店が立ち行かなくなり店舗を銀行に差押えられる直前な上、父が病に伏せ入院。追い詰められた彼は自作の屋台でスーツの路上販売を試みるも、上手くいかない。崖っぷちの彼にひとりの女性が「ウェディングドレスは作れる?」 と声をかけたことがきっかけで、女性服の制作すら初めてのニコスのドレスづくりが始まった。
『テーラー 人生の仕立て屋』(ソニア・リザ・ケンターマン監督/ギリシャ・ドイツ・ベルギー合同制作)
美しき洋裁の世界 映画レビュー「オートクチュール」
パリ。フランスが誇るラグジュアリーブランド、ディオールのアトリエで責任者を務めるエステルは年齢を理由に次のコレクションを最後に引退を予定していた。ある日彼女は地下鉄でひったくりに合い、ひょんなことからひったくり犯の少女ジャドとの交流が始まる。ジャドの指先にお針子としての才能を見出した彼女は移民系の子で学校にも通わず職にも就いていないジャドの状況を知り、彼女をお針子見習いとして指導しはじめる。
生まれも育ちも年齢も全く異なるふたりの織り成す、ヒューマンドラマ。
『オートクチュール』(シルビー・オハヨン監督/フランス制作)
ベトナム生まれのビタミンムービー 映画レビュー『サイゴン・クチュール』
1969年ベトナムの都市、サイゴン。美しい娘ニュイは、ミス・サイゴンに選ばれた自身の美貌とファッションセンスに自信があった。9代続くアオザイの仕立て屋の娘である彼女にとって、アオザイの伝統的なセンスは正直ちっとも魅力的ではなく、職人である母とも対立してしまっていた。ひょんなことからニュイは21世紀にタイムスリップ!48年後の未来の自分と家業の店舗は変わり果てた姿に…… ニュイは残酷な未来を変えるため、21世紀のファッション業界を奔走する───
『サイゴン・クチュール』(グエン・ケイ監督/ベトナム制作)
■レザークラフト
続いてはレザークラフト。クラフトをきっかけに家族の関係性に向き合う邦画をご紹介いたします。
映画レビュー『いつかのふたり』
ひとり娘の真友が、夢を叶えるため高校卒業とともに書生として大阪に旅立つ。母は夢を追う娘について行っていいものか決めかねてた。
ある日手芸店の店先でハンドメイドのレザーバッグが目に留まった母は、そのまま手芸店に入りキットを購入してしまう。 思いつきではじめたレザークラフトを続けていくうちに、交友関係とともに自分の世界が広がっていくのを感じていた。
参加したワークショップの講師に出来の酷さを指摘され、講師を見返そうと奮起。講師と彼女の息子の関係性を通して、お互い本音を言えないでいる自分と娘の関係性についても向き合うことになるのだった。
『いつかのふたり』(長尾元監督/日本制作)
■編み物
編み物ではドキュメンタリーを。糸がアーティストたちのおもいを繋いでいくような美しいアートの世界へ誘います。
【北欧の手仕事美学】映画『Yarn 人生を彩る糸』が紡ぐ糸とアートの旅
YARN(糸)を編むことは人生を紡ぐこと。
糸と編み物を身近な手芸から飛び出してアートへと昇華させる、複数のアーティストと共に旅するクラフト・アート・ドキュメンタリー。
糸と編み物の旅はアイスランドからデンマークやドイツ、ポーランド、スペイン、イタリア、ハワイ、キューバとひろがり、2年程かけて撮影。アーティストが語るヒストリーやストイックな制作風景、発表の様子を糸を用いたカラフルなオリジナルアニメーションで彩っているところも見どころです。
『Yarn 人生を彩る糸』(ウナ・ローレンツェン監督/アイスランド・ポーランド合作)
■塗り物
親から子へ繋ぐ職人の手仕事。日本の伝統的な工芸の中から津軽塗を題材にした父娘の物語。少しだけジェンダーにも触れる作品です。
父と娘で塗り重ねる手仕事 映画レビュー『バカぬりの娘』
青森県に伝わる伝統工芸、津軽塗。主人公の美也子は口数の少ない寡黙な父(清史郎)とふたり暮らし。父は代々続く津軽塗職人をしていて、仕事を突き詰めるあまり家庭を顧みてこなかった人だった。顧みなかった結果母は家を出、兄も家業を継がず美容師として働いている中、美也子はひとり、父を手伝っている。
彼女は父に似て口下手で、自分の気持ちに向き合うことも苦手。しかしある日仲の良い兄が自分の人生を選択していくのを目の当たりにしたことで、自分の心と向き合うようになった。そしてかつて文部大臣賞を受賞した祖父と父の背中を追うように本格的に津軽塗の職人を目指したいと父に告げるが───
『バカぬりの娘』(鶴岡 慧子監督/日本制作)
■眼鏡づくり

日本の眼鏡の名産地といえば福井県。史実をベースにしたものづくりを描いた時代作品に触れてみませんか?
福井での眼鏡づくりのパイオニアたちを描く 映画レビュー「おしょりん」
明治時代の福井県。
主人公のむめは、福井県足羽郡麻生津村の庄屋の長男、増永五左衛門に嫁入り。
農業が出来ない冬場に村の収入になる仕事はないかと村のため悩んでいた五左衛門のもとへ、大阪で眼鏡を扱う商人の元で働いていた弟の幸八が久々の里帰り。兄へ眼鏡づくりを持ちかけた。当時はまだ眼鏡そのものが珍しいけれど、近代化が進む日本では今後活字を見る機会も人も増える。だから視力を矯正する眼鏡はこれから需要が必ず高まると熱弁。しかし五左衛門と村の面々は首を縦には振りませんでした。ある村人の娘が現れる。学校の黒板や親の顔すらもよく見えていなかった彼女が眼鏡をかけることで、両親の顔を見て笑顔になるのを間近で見た五左衛門は、眼鏡づくりを決意。村の一大事業として取り組むことにしたのですが───
『おしょりん』(児玉宜久監督/日本制作)
■モチーフ
趣向をかえて。ハロウィンシーズンに人気のおばけモチーフそのものな“おばけ”が登場するホラー作品を紹介いたします。びっくりしたりグロテスクな表現がほとんど登場しないので、ホラー映画初心者にもオススメです。
Theおばけモチーフなおばけが登場! 映画レビュー『A GHOST STORY』
舞台はアメリカ、テキサスの郊外。若い夫婦のCとMは小さな一軒家を構え、仲睦まじく暮らしていました。しかし幸せはそう長くは続かず、夫のCは不慮の交通事故により急逝してしまう。妻のMが病院で夫の遺体を確認し、受け止められない現実を胸に病院を後にすると、亡くなったはずのCも遺体にかけられた白いシーツを頭から被ったまま幽霊として自宅へと戻っていった───
もちろん妻は幽霊であるCを認識することは出来ない。それでも愛する妻を見守る夫の切ない姿は、これまでのホラー映画とは一線を画す、死と愛の物語。
『A GHOST STORY』(D・ロウリー監督/日本制作)
■ぬいぐるみ

ハンドメイドファンにも多い、ぬいぐるみ愛好者。ぬいぐるみとの対話によって心を癒やす人々を描いた優しい作品で、心が疲れてしまった時に見て欲しい1本です。
言葉にできない感情を託す 映画レビュー『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』
恋愛として好きという気持ちがわからない。恋愛の話題になると目をそらし、悪ノリ混じりの「男らしさ」や「女らしさ」を前面にしたノリがどうしても好きになれない、京都のとある大学へ通う大学生の七森。入学時のオリエンテーションで同期の女性、麦戸と意気投合し友達になる。ふたりは新入生勧誘用のチラシの中から「ぬいぐるみサークル」に興味を持ち、見学に行くことに。そこは部室の壁一面に設置された棚には様々なぬいぐるみたちが飾られている、ぬいぐるみと話す人たちが集うサークルだった───
『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』(金子由里奈監督/日本制作)
さいごに
改めて、ものづくりが登場する作品では作ったものの質感にクローズアップするなど、映像としても美しい作品が多い印象でした。ぜひ気になった作品は、各種動画配信サービスなどでチェックしてみてください。
制作の息抜きやモチベーションアップに役立つと幸いです。

