秋の定番行事&モチーフ お月見の由来って?
秋の定番行事のひとつ、十五夜のお月見。幼稚園や保育園など保育や幼児教育の現場でも秋のモチーフとして使用されることが多いので、親しみがある方も多いのではないでしょうか。今回はそんなお月見の由来に改めて触れていきたいと思います。
十五夜って?

「十五夜」とは月の満ち欠けの状態を表す月齢(げつれい)で十五日目(14.0日を含む日)の月の呼び方。なので十五夜は月に1回、毎月存在するのですが一般的には一年の中で一番月が美しいとされる中秋の名月(ちゅうしゅうのめいげつ)の晩を指します。中秋の名月は旧暦の8月15日。現在の暦では毎年変わりますが今年2025年は10月6日がその晩にあたります。
十五夜の行事の由来は?
十五夜の行事は、その年の五穀豊穣を祝い感謝をするいわゆる収穫祭。はじまりは平安時代にまで遡るといわれており、当時の貴族たちがその頃既に中国で行われていた「中秋節(ちゅうしゅうせつ)」という行事を取り込んだのが日本におけるお月見の起源とされています。中秋節は今でも春節と並ぶ中国の代表的な節句のひとつ。月を楽しむ観月(かんげつ)の文化はやがて庶民へも広がり、いも類などの収穫を祝い収穫した作物をお供えして豊穣と実りへの感謝をする行事になったそうです。
モチーフにも使われるお供えもの
続いてはお月見に欠かせないお供え物について見ていきましょう。
・ススキ
お月見をイラストなどで描く際、必ずと言っていいほど描かれるススキ。秋の植物ということもありますが、五穀豊穣、“実り”の象徴として稲穂をイメージしているともいわれています。まだ収穫を控えている時期に稲穂の代わりとしてススキを用いているという説です。
また、ススキは切り口の鋭さから魔除けとしても親しまれていました。
・お団子
お月見といえば、なんといってもお団子。ピラミッド状に積み上げたものが描かれることが多いお団子は、材料である米から豊作を祈願する意味のほかに、丸い形を満月に見立てているという意味も持っています。
月で餅を搗く(つく)うさぎ

お月見の場面で描かれる、月で餅を搗いているうさぎ。うさぎが月にいる、という話の起源は仏教話にあるといわれています。行き倒れそうな老人を助けようとしたうさぎが「私を食べてください」とその身を捧げ、実はその老人はうさぎを試した帝釈天であったというお話しです。餅つきをしている理由も諸説ありますが、お団子と同様五穀豊穣を祈る意味があるそうです。
さいごに
伝統的な秋の定番モチーフ、お月見について改めて紹介いたしました。丸いお団子やうさぎといったかわいいモチーフには、収穫への感謝と豊穣の願いが込められていたのです。
秋のハンドメイドモチーフにする際もそのことに思いを馳せて制作してみてはいかがでしょうか。