モチーフとしても愛される、海の宝石「サンゴ」
トロピカルな雰囲気で夏をイメージさせるモチーフの中に、熱帯の海の生き物があります。
赤、青、黄色、オレンジなどの鮮やかな色彩の熱帯魚やウミガメは、子供向けのアニメーション映画でも描かれてきたことから、 子どもたちにも親しみやすいモチーフです。
今回はそんな熱帯の海に欠かせない存在である、サンゴについてひも解いてみましょう。
サンゴって?
サンゴはじっとして動かないので、海底から生える植物や硬そうな見た目から鉱物のようにも見えますが実はイソギンチャクの仲間で動物なのです。サンゴは「ポリプ」と呼ばれる小さなものの集合体で、ポリプはそれぞれ口や触手、骨格、胃腔などの動物としての構造を有しています。
主に熱帯や亜熱帯の、太陽の光が届く浅くあたたかい海に多く分布しています。
サンゴや石灰藻類などで形づくられた地形は「サンゴ礁」と呼ばれ、小さな魚などの生き物の住処や狩りの場として共生の関係にあり、ともに暮らしています。日本では沖縄を中心とした南方の地域の海で見ることが出来ます。
サンゴのモチーフ
古来よりサンゴは真珠と並ぶ海の宝石として愛され、工芸品や宝飾品に加工されています。どの種類のサンゴでも宝飾品に使われるのではなく、サンゴの中でも暗く冷たい海で時間をかけゆっくりと成長する、人の歯ほどに硬い骨格を持った木の枝のような形のアカサンゴやモモイロサンゴ、ベニサンゴを使用します。

持ち帰りはNG
サンゴが生息する沖縄県などに旅行に行くと、海岸でサンゴの死骸を目にすることがあります。つい、旅の思い出や個人的なハンドメイドの素材として持って帰りたいと思ってしまうかもしれませんが、これには注意が必要です。日本国内では環境省や各県の漁業関連規制等により、折れて海底に落ちているものやし骸(骨格)であっても採取は禁じられています。違法に採取されたサンゴは販売だけでなく所持も禁止されています。
サンゴの保全活動
近年温暖化や気候変動による異常気象、海洋汚染、開発による赤土の流出などによりサンゴは白化や個体の減少といった危機に晒されています。サンゴは長時間高水温に晒されると、白化してしまうといわれています。
異常気象による海水温の上昇は白化だけでなく、オニヒトデなどのサンゴの天敵となる生き物が増えるため被害が拡大しやすくなってしまいます。日本国内のサンゴ礁でも減少や白化は進行していて、DMMかりゆし水族館やサンシャイン水族館といった国内の水族館では保全活動を行っています。そういった施設に足を運びサンゴについて知識を深めることもサンゴを守る活動につながります。

さいごに
夏のモチーフや工芸品、宝石の印象の強いサンゴ。この記事で紹介しているサンゴについての情報は代表的なほんの一部のものです。保全活動を行う各水族館や団体の情報をチェックすると更にサンゴについての見識を深めることができるでしょう。
モチーフとして楽しむ際は、ぜひサンゴが暮らす海や、それを守る活動にも思いを馳せてみてください。
参考文献
山城 秀之(2016)『サンゴ 知られざる世界』成山堂書店 165P
増田 直記(2025)『みんなが知りたい!サンゴのすべて きれいな色や形の魅力から海中での働きまでよくわかる』株式会社メイツユニバーサルコンテンツ 128P

