ハンドメイド作品を素敵に魅せる構図
よくおしゃれな作家さんの写真を見て、こんな風に撮りたいと思って撮影した結果、小物を増やしすぎて、本来の作品の詳細がよく見えなくなってしまっている例を見ます。
その対策として、カタログ写真とイメージ写真を切り分けて撮ることが大事になります。
今回は、そのコツについてご紹介しますので、ぜひご参考にしてみてください。
【写真を使い分けしよう!カタログ写真とイメージ写真】
作品の写真は大きく分けて、カタログ写真とイメージ写真の二つに分類できます。
■カタログ写真
商品自体の特徴や魅力を伝えるために使われます。一口にカタログ写真と言っても、色々な要素を含みますが、ここでは主に商品の特徴を見せるために撮ったシンプルな写真とします。
また、商品の細部やデザインを見せるために、作品をアップに撮ったり、表から見えない金具の部分などの写真もここに含みます。
メリット
・商品の魅力を引き出すことができる。
・色や形など、商品の特徴を伝えることができる。
・商品のデザインや細部を見せることができる。
・商品の専門的な知識がなくても、商品の特徴を伝えることができる。
■イメージ写真
作品の使い方や着用した場合のイメージを伝えるために使われます。服やアクセサリーであれば着用画像や、雑貨や食器はその作品を含めたインテリアの写真などが挙げられます。商品の詳細というよりも、作品やショップの雰囲気を表現する写真と言えるでしょう。
メリット
・商品の使い方やイメージを伝えることができる。
・身に着けた際のサイズ感や着心地を伝えることができる。
・商品を実際に着用したイメージを伝えることができる。
・商品がどのような場面で使われるかを想像しやすくなる。
以上の特徴を踏まえた上で、まず初心者の方にはカタログ写真から撮ることを勧めたいと思います。
お客様に作品を知ってもらうために、まず必要になるのがカタログ写真です。買い物するお客様の気持ちになって、まずは作品の細かいディティールや構造が分かるように、シンプルに撮ってみてください。
【実際に撮ってみよう】
では、実際にカタログ写真を撮るときは以下のようなポイントを確認してみましょう。
■作品が分かりやすいようにシンプルに構図をまとめること
カタログ写真では、作品が分かりやすいようにシンプルな構図を心がけることが重要です。作品の形や色が際立つよう、余分な要素を省きシンプルにすると良いですね。要素が増えるほど、世界観やイメージは伝えやすくなりますが、その分作品自体が見えづらくなるので注意しましょう。
写真①作品のみでシンプルに撮ったもの。
写真②作品+1要素
写真③作品+2要素
要素が増えるほど、イメージ写真としての役割が増えていきます。
■要素が増えるほど難易度が上がるため、慣れるまではごちゃごちゃさせない
先程、作品が見えなくなるのでシンプルに、という話をしましたが、要素が増えることは同時に撮影の難易度をあげることにもなります。
作品が綺麗に写っていることだけでなく、そのほかの要素の色合いや素材の調和、撮影時の細かい配置や角度などあらゆるところに気を配らなくてはいけないからです(それをおろそかにすると、ただ無意味に散らかっているだけの写真になってしまいます)。
慣れるまではシンプルな構図を心がけ、余計な要素を加えないようにすると良いでしょう。
■物足りない場合は背景で変化をつける
基本は作品の色合いが際立ち、より明るい印象を与える白い背景がおすすめですが、作品のイメージに合わせて背景を変えることで、簡単にイメージを変えることも出来ます。
例えば、シックなイメージの作品に合わせてブラウンや濃いグレー、ナチュラルなイメージであれば木目の背景などが挙げられます。
ただし、背景が主役にならないように注意する必要があります。
作品が主役であることを忘れずに、主張しすぎないバランスの取れた背景を作るように心掛けましょう。
■製品の特徴やディテールをアピールするため、拡大写真を撮ることも重要
カタログ写真だけでなく、製品の特徴やディテールをアピールするため、拡大写真を撮ることも重要です。拡大写真を撮ることで、作品の細かいディテールや質感が伝わり、お客様の納得感を高めることができます。
【イメージ写真を撮る際の注意とポイント】
続いて、カタログ写真も慣れてきてイメージ写真も撮りたいという初心者さんに向けたポイントについて挙げます。
イメージ写真は、作品を着用した場合のイメージを表現するためのもので、ショップの雰囲気やブランドのアイデンティティを表現することが重要です。
■要素を絞ってシンプルに
カタログ写真のポイントで伝えた通り、いきなり要素を色々と増やすのは難易度が上がってしまって難しいので、要素を絞って追加することがおすすめです。
最初のうちは作品+2~3要素くらいまでが扱いやすいでしょう(作品+植物など)。
屋外で撮影する場合でも、背景はごちゃごちゃしないように気をつけると良いですね。
■使用感やイメージを伝える
作品を使用するシーンやコーディネートのイメージを想像し、それに合わせて撮影することが重要です。例えば、アクセサリーを海で使うイメージなら、貝殻などを配置して、涼し気なガラスを追加してみましょう。
またサイズ感のわかるようなものと一緒に撮ってみることもおすすめです。
慣れてきたらどんどん色々なものを追加して撮ってみるのも楽しいですね。ただ、あくまで作品の良さを伝えるイメージ写真なので作品やショップのイメージに関連付けるように考えるようにすると統一感が生まれます。
以上のような点に気を付けて撮影することで、効果的な構図の写真が撮れます。ぜひ参考にしてみてください。
PERSON
監修LinnieStudio倉橋梨沙倉橋梨沙