ハンドメイドの季節のモチーフとしても人気の“クリスマス”。ツリーやリース、靴下など登場するアイテムも豊富で、実はそのひとつひとつに大切な意味を持っています。
今回はそんなクリスマスのモチーフが持つ意味や由来についてまとめてみました。ホリデーシーズンの作品づくりのモチーフ選びの参考になれば幸いです。
クリスマスカラー
クリスマスカラーといえばグリーンとレッド、もしくはホワイトやゴールド。これらの色にも意味が込められてます。
グリーン…モミやヒイラギなどの常緑樹が年間通して緑の葉を落とさないことから、「生命力の強さ」、「永遠の命」。
レッド…イエス・キリストが十字架に磔になった際に流した血や、神からの「愛」。
ホワイト:雪を連想するホワイトは「純潔」や「清らかな魂」。
ゴールド:イエス・キリスト誕生の際に現れた「ベツレヘムの星」の光。
クリスマスツリー
一説によると、クリスマスツリーの由来のひとつは、キリスト教においてアダムとイヴが食べることを禁じられた「知恵の木の実」の木がモデルなんだとか。知恵の木の実はリンゴで表現することが多いものの、クリスマス時期は広葉樹であるリンゴの木は葉を落としているので、ツリーには寒い季節も力強く葉をつける針葉樹のもみの木を永遠の命の象徴として使われているとも言われています。
■クリスマスツリーの頂上の星
ツリーの頂上に飾られる星はイエス・キリストの誕生の際に現れたといわれる、「ベツレヘムの星」が由来とされています。「希望の星」とも呼ばれていて、東の国の博士たちをイエス・キリストが生まれた地へと導いた伝説から、人々を導くような縁起のいい星としてクリスマスツリーの頂上に飾られるようになったそうです。
■オーナメント
ツリーに飾るオーナメントで、ボール状のものは前述のクリスマスカラーの意味を込めています。同じくよく飾られているリンゴは、旧約聖書に登場するアダムとイヴが食べてしまった「知恵の木の実」を意味していて、「知恵・知識」のほか、寒い季節の貴重な作物として「豊かな実り」や「幸福」の願いを込めているとも言われています。
■ステッキ
ステッキの形をしたキャンディは、「キャンディ・ケーン(杖)」と呼ばれています。由来は諸説あり、「キリストが人々を導くための杖」や「羊飼いの杖」、サンタクロースのモデルとされる「聖ニコラウスの杖」など言われていますが、多くに「導く者の杖」という共通点があります。
教会で司祭が子どもたちを静かにさせるためにキャンディを与えたことからキャンディを使うようになったとも言われています。
■クリスマスリース
古代ローマで、新年を祝って常緑樹で作られたリースを送り合い、もらったリースを家族の健康を祈願してドアや戸口に飾っていたことが起源と言われています。円の形ははじまりも終わりもない「永遠」の象徴とされていて、飾りつけのリボンは「永遠の絆で結ばれますように」という願い、松ぼっくりやどんぐりは豊作の願いが込められています。
■クリスマスの靴下
サンタクロースのモデルである聖ニコラウスが、貧しい家の子どもたちを助けたいと思い煙突から金貨が入った袋を投げ入れ、袋が偶然にも暖炉のそばにあった靴下の中にすぽっと入ったという伝説が由来とされています。
■ヒイラギ
英名で「クリスマスホーリー」と名付けられているヒイラギ。ヒイラギの葉は縁がギザギザと尖った形をしていることから、キリストが被っていた茨の冠を彷彿とさせる、受難の象徴という宗教的な意味が強いモチーフでもあります。
■ヤドリギ
日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、欧米ではヤドリギはクリスマスイブの誕生花で、クリスマスを象徴する植物として親しまれています。
ヤドリギにまつわる最も有名な伝説は、「ヤドリギの下でキスをしたカップルは永遠に結ばれる」というもの。ヤドリギには神秘的な力が宿っていると信じられており、キス以外にも友人や家族とハグをすることで親愛を深め、幸運や長寿を得られるとも言われています。
■ベル
クリスマスの歌にもなっているベルは、イエス・キリストの誕生を人々に知らせた「喜びの音を鳴らすベル」という意味があります。ベル自体にも魔除けの力があり、悪しきものを近付けないとされています。
■イルミネーション
イルミネーションは、イエス・キリストと「世の中を光で照らす灯り」を表現しているとされています。
電飾が用いられるようになる以前、ツリーにはろうそくが使われており火事の原因になっていました。19世紀の終わりに、アメリカの電話会社職員が交換機に使われる電球からアイデアを得て、ろうそくよりも安全な電飾を使うことが広まったと言われています。
さいごに
クリスマスのモチーフには大切な願いや意味が込められていました。由来を知ることで、同じようにモチーフに作品に願いを込めて世界観を深めたり、作品づくりのインスピレーションのきっかけになったら嬉しいです。