指ぬきは幸せのおまじない!?文化を知ると、モノ作りがもっと好きになる♪ヨーロッパの言い伝えをご紹介
突然ですが、これ、何だと思いますか??

帽子でしょうか? それとも逆さにしたコップでしょうか?
実はこれは、シンブル。日本語でいうと、指ぬきです。
指ぬきは以下のような役割があります(ChatGPT先生より)
シンブル(英: thimble)は、縫い物をする際に指を守るための小さな円筒形または円錐形の道具です。通常、金属やプラスチックで作られており、指にはめて使用します。シンブルの底部分には針が通りやすいように穴が開いており、縫い物の際に針が指に刺さらないように保護します。
縫製作業や刺繍などの手芸作業において、シンブルは指を守りながら素早く縫い進めるための便利な道具とされています。指にかかる圧力を分散し、針を使って素材に穴を開ける際に指を保護する役割があります。
しかしこの指ぬきは、なんだか使いづらそうですね……
それもそのはず、これは幸せの御守りとして作られたシンブル。
どういうことかというと、ヨーロッパでは、このようなコップのような形のモノが指ぬきとして使われてきたのですが、もう一つ、シンブルには結婚のお守りや女性に幸せをもたらすという古い言い伝えがあり、女性にプレゼントされるものという役割がありました。
そして、このようなシンブルがたくさん生産され、観光地などでも販売されたり、ウェッジウッドやマイセンなども、シンブルを生産しました。今ではこのようなシンブルが非常に高値で取引されていたりします。
ちなみに、楽天で販売されている、マイセンのシンブルですが、こんな感じです。
お値段……おいくらくらいだと思いますか?
高いって思うか、安いって思うかは人ぞれぞれだと思いますが、気になる方はぜひお値段確認してみてください。
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そして、実はシンブルには面白い事実があります。
かつて世界中の観光地で販売されていたシンブルが実は日本製だったのです。

そして、今世界に散らばっていたシンブルが日本に逆輸入されたりもしています。
私も日本に逆輸入している一人です。何十年ぶりかの里帰りですね!!
シンブルさんには、今の日本はどのように見えてるんでしょうかね。

ラスベガス!! などと書かれたシンブルの裏側に、メイドインジャパンとシールが貼られたり、冒頭の写真のシンブルには、JAPANと刻印があったり、とても面白いですね。
また私はまだ出会ってないですが、戦後、連合国の占領下にあった
日本 MADE IN OCCUPIED JAPAN
という刻印のシンブルなどもあったりします。探しているのですが、レア品のようでなかなか見当たりません。
それも当然ですね。
日本が連合国の占領下にあったのは、敗戦後1945年(昭和20年)から1952年(昭和27年)の7年間。
敗戦の2年後にから、輸出用の日本製品には「MADE IN OCCUPIED JAPAN」の表示が義務づけられたのです。
そして、その後その表記は1949年には義務化されなくなり、商品はメイドインジャパンとして輸出されることになりました。
当時は、なんだか屈辱的な表記だなあと思った方も多い時代だっだとは思います。
が現在、このMADE IN OCCUPIED JAPANにはたくさんのコレクターがおり、大人気となっています。
なんとも不思議なことですよね。
日本の陶器って実は昔から世界に輸出されている人気商品だったのです。
輸出用に焼き物が生産。特に人形が作られたりしました。
実用的なものというよりも小さなモノだったり、アートっぽいモノだったり、この画像はオールドノリタケのミニチュアティーカップ。
これも外国に輸出されていた品です。

日本の陶器は、戦前から海外で大変人気があったので、その流れで戦後も作られて輸出されていたのでしょう。
海外でも贈り物として重宝されてきたシンブル。日本で作られたモノが海を越えて、誰かの幸せを願うために送られてた。それが半世紀後日本に帰ってきた。
そう考えるだけでなんだかとても浪漫を感じませんか。
シンブルは、マニアック雑貨店で販売もしております!
ぜひお店もご覧くださいね。

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