【おとなの工場見学】lactifloraさんと行く!ものづくり現場 金属鋳造工場!
とてもかわいらしい日本モチーフのピンバッチや、ゴッホなどの作品モチーフのブローチなど個性的なラインナップで、大人がとりこになるアクセサリーメーカー lactiflora。
何度かある・みる運営事務局が主催するイベントに参加してもらい、スタッフの中にも熱烈なファンがいるメーカーさんです。
どんな過程を経てこの作品が誕生するんだろう……なんて気になりませんか。今回は、一番大切な工程、これがなきゃ始まらない! 金属のカタチが誕生する工場にお邪魔しました。
ちょっとあれ見な……改札がゴール……おもわず口ずさんでしまうほどキャプテン翼な駅
葛飾区にある 四ツ木駅に降り立った私たち。降りたとたんに、キャプテン翼一色! ここは、キャプテン翼の聖地でもあるそうです。昔、日向のおじろう(私の苗字がおじろ)と言われてからかわれたなあ……(笑)
なんていう思い出が甦りつつ電車を降りました。改札までの広場がサッカーのグランド風。あっちのゴールは改札・こっちのゴールはお手洗い。スゴイ徹底ぶり!!
若干テンションがあがりつつ、改札を出て、lactifloraのオーナー、あゆみさんと合流。
私たちが向かったのは、住宅街。
この中にとある工場があるらしい。たどりついたのは普通に行ったら絶対わかりっこないような工場に到着。
モノ作りの0から1の現場を見学
lactifloraのアクセサリーは画像のように、金属の上にエナメルや絵具などで色を付けていき、作品として仕上げていくので、元になる金属が無いと何も始まらないのです。0から1が生まれるとても大事な工程がこの工場で行われているのです。
まず、あゆみさんがデザインを起こし、それを型どり、さらに型をつかって、金属を流し込んでいきます。
デザインをベースに型をまず作っていきます。
その後出来上がった型に金属を流し込み、金属のパーツに加工していきます。
では、もうすこし詳しく型作りの工程をお話ししますね。
工程としては、まずゴム版を2つ用意。ねじのような金具を等間隔に打ち込んでいきます。
その後、ゴム版に金属パーツの形を配置していきます。
型をつくったら、金属を流し込むのですが、金属が均等に流れるように手作業で型にメスで切れ目をいれたり、とても気を付けて作業をしています。出来上がりを美しくするための工夫がたくさんありました。
出来上がった型に金属を流し込んでいきます。このお鍋の中で、ゴム版が回っているようです。
遠心力を利用し、小さな金属パーツの型の中に中央の穴に液体状の金属が流れていきます。
金属を流し込んだあと・・冷めたら 型から金属を抜き出します。
この金属がアクセサリーなどに使われる金属となります。
しかし、型から抜いて作業が終わりというわけではありません。実はここからがとても大事。
ここからの作業で出来上がりが決まる。職人さんの感動的な心と仕事に触れる
型から抜き出した金属にはバリがあります。
海外製のものですとバリがかなり残っているのですが、日本製のものは、バリがほとんどありません。
それには職人さんの心遣いや細部まで手を抜かないプロの技と心が込められていました。まず出来上がった金属は、写真のようにルーターで削りバリを落としていきます。
感動してきた瞬間でした。
当たり前にあると思っていたモノは、誰かが一生懸命作ってくれたからここにあるんだ。と感じました。
職人さんは、この製品を次に鍍金工場などに搬入していくため、このモノがどんな形になって、誰の元にいくのか……知ることはありません。
見たことも会ったこともない人が、快適にアクセサリーをつかうことができるために一生懸命に仕事をしつづけるのです。
手作業でバリが落とされた金具は、この機械に投入。これはきれいに研ぐための装置です。
四角いアイテムは研石。
この機械で洗浄された金属は、さらに洗浄剤に浸されます。そしてどんどんどんどん美しく磨かれていくのです。
左が洗浄前、右が洗浄後・・全然違いますね!
この工程の中で、バリがあったりすると、次に鍍金工場できれいに鍍金が乗らなかったりします。仮に100個同じ材料を作ったとしてその中に1つでもそんな製品があると全部返品されることも……なのでとても気を遣う工程なのです。
そして、水分をきちんと乾かします。水滴が残るとそこがシミとなり、また鍍金が綺麗に乗らない原因となります。
この箱は乾燥機です。
工場にある機械は熱を発しますので、夏場は50度ほどになるとか……
ゴム版は冬場は固くなってしまい、そうすると綺麗に型がつくれなくなるため乾燥機の中にいれて温めておきます。
乾いた金属パーツは、次の工程の工場へと納入されていくのです。
私は、お菓子の工場のように、ピーガシャンみたいな感じで流れ作業的にどこからか金属が流れてくるのと思い込んでいました。
しかしそうではなく、型、そして鋳造。人の手と機械で大切に作られていたのです。
lactifloraのアクセサリーは、金属の色合いがとても綺麗で、しっかりしています。この工場にその秘密があったんですね。この日は家に置いてきてしまった、ありんすピンバッチが急に恋しくなりました。
名も知らない職人さんが、名も知らない人のために一生懸命つくっている品物。
この工程を知ることで、lactifloraのアクセサリーがよりいとおしくそして可愛く思えてきた瞬間でした。
lactifloraのあゆみさんの軌跡
素敵なラインアップがたくさんある、lactifloraのオーナーあゆみさん。どんなきかっけでこのブランドを立ち上げたのでしょうか。その軌跡についてお話を伺ってきました。
もともとは関西地方出身のあゆみさん。
デザイン科出身ではありますが、空間のデザインなど専門でした。関西にある大学卒業後アクセサリーの仕事を探したものの、なかなか求人自体がなく、ディスプレイや彫金の仕事をしてきました。
仕事は楽しかったものの、自分がやりたいことと違う。アクセサリーの仕事がしたい。
そこで、転職活動の時に東京で仕事を探します。
そして、出会ったのがLuccica でした。
アクセサリーのデザイナーとして活躍したあゆみさん。充実した毎日を過ごしていましたが、Luccica は会社が解散してしまいます。
しかし、あゆみさん、Luccica がとても好きだったそう。Luccica を引き継ぐ形で、lactifloraを立ち上げました。
Luccica は、27年間続いたアクセサリーブランド。
lactifloraは、23年間続けて、50周年をしたい。半世紀続けられるメーカーにしたい。
それがあゆみさんの目標です。
lactifloraのアクセサリーは、こだわりの材料展でも一部販売いたします。
またオーダーメイドなども可能ですので、ぜひオリジナルデザインを作りたいって方はお気軽にお問い合わせください。
lactifloraのアクセサリーは、選ぶのも楽しい、
つけるのも楽しい、どこに出かけようかと想像するのも楽しい。楽しさがたくさんつまったアクセサリーです。
身につけることで、誰かとコミュニケーションがうまれたり、自分自身のテンションがあがったり、素敵なアクセサリーは毎日を楽しくするのではないでしょうか。
lactifloraのInstagramはこちらです。ぜひチェックしてみてくださいね!!
◆ある・みるでは、モノ作りの過程を発信することで、日本のモノ作りのすばらしさや職人の技などを国内外のたくさんの方にしっていただき、素敵なモノを大切に使って下さる方が増えることを願っています。そこで工場や工房見学歓迎!! の方いらっしゃればぜひ取材にお伺いしたいと考えております! 情報をお待ちしております◆