「ZINE FEST」で出会う、ユニークでクリエイティブなZINEの世界
目次
- 1.ZINE FESTってどんなイベント?
- 2.会場にあふれるZINEファン
- 3.見逃せない、すてきなブースを紹介
- 4.しゃがんし
- 5.にゆ
- 6.田中ゆず
- 7.近田均
- 8.じぇっきや
- 9.概念に飛んだ犬
- 10.シラトリーヌ
- 11.Chatbete Media
- 12.ライト、ゼア イズ ナッシング
- 13.なたろう
- 14.さいごに
今回は、2025年4月5日に浅草にある東京都立産業貿易センター 台東館にて開催されたZINE FEST TOKYOにある・みるメディアがレポートします!
ZINEを買いに行ってみたい方もZINEを作って販売してみたい方も、ぜひお楽しみください。
文字や絵、写真を“本”で伝える ZINE(ジン)って知ってる?
ZINE FESTってどんなイベント?
ZINE FESTとは、ZINEの作り手が直接販売することで読者と交流を持つことが出来るイベント。リソグラフ工房のZINE FARM TOKYOが運営し、2021年から2025年1月の間に全国で合わせて25回開催されています。
会場にあふれるZINEファン
東京都立産業貿易センター 台東館の5階、6階の2フロアで開催。開場時間の12時からさほど経たずに入場したのですが、既にZINEを手に取る来場客で会場は静かな盛り上がりをみせていました。

ZINE自体が内容の規定がないためZINE FESTで頒布されているZINEのジャンルも様々。(ZINE FESTの規定エログロや特定の政治や宗教を推すZINEの販売はNGなのでそれを除く範囲で)客層も本当に老若男女、服装などを見ても多様な人が足を運んでいた印象です。


見逃せない、すてきなブースを紹介
そんな幅広いジャンルのZINEが頒布されている中から、筆者が出会ったすてきなブースをご紹介。SNSも添えておりますので、ぜひ併せてご覧ください。
※出展名は敬称略にて掲載いたします。
しゃがんし
眼鏡屋さんが手掛ける眼鏡のZINE。作者さんも素敵な眼鏡をお召しでした!

世界のオシャレで個性的な眼鏡を発売国などを沿えて掲載していました。初心者向けとツウ向けと分けてあるのもポイント

にゆ
ハンドメイドのアート作品とともにZINEを販売。

木のプレートを使って小さな掛け軸にペインティング。原画である掛け軸とプレートをセットにした世界に1セットずつしか存在しないアートを手にすることがかないます。

自然物にタイトルを付けて言葉を添えたZINEもアート色が色濃く魅力的。

田中ゆず
思わず足を止めてしまった唯一無二な装丁だった田中ゆずさん作の「気になる遊具」は、表紙がブルーシートに覆われていて、タイトルはスプレーで塗装されている。


遊具メーカーが意外にも工業製品を多く扱っていたことからブルーシートを使った装丁の着想を得たとのこと。公園で親御さんの許可のもと実際に子どもたちにとったアンケートから始まり、遊具メーカーにも取材を行って制作した本気度の高い一冊です。

近田均
イラストレーターの近田さんは今回ZINE FEST初参加。

男性をモチーフにしたイラスト集のZINEで、モノクロで描かれたひとりひとりからキャラクターを自然と感じられる作風が印象的。普段はInstagramを活動の場にしていたところZINE FESTの存在を知り、「フォロワーさんたちと交流したり、作品を手に取ってもらうきっかけになるかも」と感じたのが参加のきっかけだそう。
じぇっきや
エッセイのZINEを中心に制作していて、文学フリマにも出展しているそう。

今回は個人で制作したZINEの他に、友人と交換日記形式で執筆したZINEや、中野などに店舗を構えている居酒屋チェーンの「四文屋(しもんや)」のファン複数人が魅力を語りまくるアンソロジー形式のZINEも。


ひとりで作ってもZINE、誰かと作ってもZINE!
概念に飛んだ犬
ユニットで参加していたこちらのブースのZINEはどれも手のひらに収まる豆本サイズ。


ユニットとしてのZINEのはじまりは静岡県三島市の都市分析ZINEから。三島を街歩きしながら都市としての三島を紐解く際に、「一度概念に飛んで、そこから戻ってきたら全く別のところに着地しているかもしれない」と考えたことからこのユニット名に。

シラトリーヌ
あたたかなタッチのイラストと文章で綴られた、大人も読める児童文学ZINE。

「文章で癒される」読書体験が出来るブースで、中にはおよそ10年かけて執筆された小説のZINEも頒布。

Chatbete Media
韓国からの参加者も。

日本文化が好きだったことがきっかけで出店を決めたそう。本国で営んでいる書店でも販売しているZINEを持ち込み頒布されていました。写真は作者が実際に飼っている3匹の猫をモチーフにしたZINE。

ライト、ゼア イズ ナッシング
柔らかなトーンで色とりどりの表紙がならぶZINEは詩誌。

短歌、一行詩、自由詩から掌編、狂言を掲載。新刊は旅行エッセイと、ひとつのブースの中で幅広い文章のジャンルを楽しむことが出来るのが魅力。
なたろう
イラストレーターのなたろうさんはイラストを使ったグッズとともに作品集も兼ねたZINEを。

自分に入っているタトゥーのモチーフを自分の画風に落とし込んだZINE。(写真左)
タトゥーという個人のアイデンティティにも紐づくトピックスをポップなイラストにする。イラストという自分らしさでモチーフに込めた思いを描くことでより作者の持つヒストリーとして表現しているように感じ、とても惹かれました。

さいごに
取材に快く応じてくださった作者の皆様、ご協力いただきありがとうございました。みなさんの活躍とZINE FESTのこれからの盛り上がりを祈るばかりです。
ZINEに決まった形式がないことは知っていたのですが改めてその懐の深さに驚かされました。今回掲載したブースやZINE以外にも、掲載しきれないほど様々なジャンル、モチーフ、表現のZINEが並び、直接手にすることが出来るのです。筆者はまだ、2025年3月の吉祥寺開催と、今回の2回しか参加していませんが他の開催地だと出店する作家も様変わりするでしょう。そう考えるとZINE FESTはどこまでも多様で、表現としてとても自由なイベント。いつかZINEを作ってみたいと考えていましたが、ZINE FESTに足を運び、体感したことで「ZINEってほんとうに好きに作っていいんだ!」と背中を優しく押してもらった気がしています。次は出店者として、ZINE FESTに足を踏み入れたい。
ZINE FESTに関する情報は、公式Instagramやnoteから随時見ることができます。こうしている間にも多くの会場での開催を告知、参加を募集しているのでZINEを作ってみたい方も、買ってみたい方もぜひ覗いてみてください。
zinefarmtokyo
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