【インタビュー後編】長年続けてきた作家生活で作ることがライフワークに 作家 hey*flower (ヘイフラワー)
19年ぶりにデザインフェスタへ出展参加を果たした、hey*flower (ヘイフラワー)さんに、前編では19年ぶりに参加したデザインフェスタへの印象の変化や、普段のInstagramへ投稿する写真についてなど伺いました。
引き続きお話を伺ってまいりましょう。
───前編で制作のきっかけを伺ったほっかむりちゃんですが、デザインフェスタvol.60での展示の仕方もかわいくて目を引くディスプレイでした。
「ありがとうございます!あのディスプレイも他の作家さんのディスプレイを見たりしながら試行錯誤してやったものです。
ぬいぐるみをかけるものにネットを使っているので、畳むと小さくなって遠方のイベントの参加にも便利なんです。」

───デザインフェスタも広島からだととても遠方。荷物問題は重要ですね。
「そうなんです!荷物の話だと、(展示作品にガラス製の作品もあったので)ガラスを送るのには本来トラックを頼まないといけないそうなんですが、トラックが出せないと言われた地域だったので割れるのを覚悟して送りました。」
───そんな裏側が。当日の荷物は大丈夫でしたか?
「ひとつずつ箱に入れて、強化段ボールに入れて送ったのでなんとか大丈夫でした。」
───大事に運ばれた手描きのガラスのテーブルウェア、とてもかわいくて素敵でした。ぬいぐるみとはまた違ったジャンルの作品ですが、制作のきっかけは?
「子どもがまだ小さい頃、日中の制作時間では全然時間が足りなくて、夜も制作のためにミシンをかけていたらご近所さんから苦情がきてしまって。それで夜にも出来る制作ってなんだろうと考えていたことがきっかけです。イラストをつかって何か作ってみたいなとも思っていたので。」
───絵を書くことはもともとお好きだったんですか?
「好きではあったんですが、単体の作品としては難しいかな……と思っていて。それまでも作品の色使いを誉めてもらうことがあったので、絵付けならイラストの巧さよりも得意な色使いを活かして制作出来るかなと思いました。」
───因みに書いていて楽しい、もしくは好きなモチーフはありますか?
「犬のモチーフです!顔のパーツがちょんちょんって小さいところがかわいくて好きです。」

───Instagramに投稿される際、#平成レトロ のハッシュタグを付けていますが、制作の面でも意識していたりしますか?
「実はこれもお客様から言われたことなんです!デザフェスに出展した時に、お客様が(ガラス作品を)見て、平成レトロだ~!とおっしゃってて。自分では意識していなかったので、その時に気付きました笑」
───今後チャレンジしてみたいことはありますか?
「織り機でオリジナルの柄のニットを編んでみたいし、小さなモールを使ってテディベアを作ったり……パッチワークキルトにも挑戦してみたいです!
たっぷり時間をかけてひとつの作品をつくりあげて、個展も開いてみたいですね。おばあちゃんになった時に、過去の作品を集めて個展を開いたら楽しいだろうなと思ってます。」
───個展、とても素敵ですね。もしも今開くとしたらどんな個展にしたいですか?
「今であれば2025年最新版として、“今”興味があるもので作りたいです。」
───ということは開く年によっては、
「内容が変わると思います!もうその時に興味があるもので(やりたいです)笑
一生何かを作っていたいけど、未来の私が何に興味を持っているのかはわからないので何の個展になるかは未定です。」
常に作家としてアップデートと進化を繰り返してきたことが伺えます。
「お客様にとってはわかりにくいかもしれないけど」と言いながらも、興味があるものとお客様からの声で制作の対象を絞らずのびのびと活動を続けて来られたことがわかります。
───お話を伺っていると、お客様からの要望で作品を増やしたり、コミュニケーションを大切にされていて素敵だなと感じました。
「私はこれを絶対に作りたいぞ!っていうものはなくって。お客様がほしいならやってみよう!とチャレンジしていることが多いです。お客様から勉強させてもらってますね。」
───本当に作ることがお好きなんですね!
「そうですね。お料理もそうだと思うんです。お料理も作ることだけど、人によっては生活の中の「やらなくちゃいけない」ことでしかなくて。」
───お料理もお好きなんですか?
「何かに特別こだわっているわけではないけど、料理をすることは苦ではないです。どう食べたら健康になるか、みたいなことを考えたりするのは好きですね。」
───hey*flowerさんにとって、ハンドメイドはライフワークなんですね。
「そうですね。」
個展について伺った際におっしゃっていた「一生何かを作っていたい」という言葉と、ご自身のハンドメイドと一緒にお料理の話が出てきたことから、hey*flowerさんにとってのハンドメイドやものづくりが生活の一部であることがよくわかります。
今後もデザフェスに限らず拠点である広島以外にも岡山、神戸などの関西地区のイベントにも参加していきたいとのこと。
───今年も精力的に活動されるのですね。
「しばらく遠方のイベントなどをお休みしていたのもあって、勉強になるし出たいですね。」
───今後のご活躍も楽しみです。イベント出店を精力的にしている理由はなんでしょう。
「私が遠方のイベントに参加していると言うと、「すごい」「出たいけど私には難しい」と言われることがあるんですが、私も出店をしていて、交通費や出展料を差し引いたら利益が出なかったことはあるんです。
長く作家として活動していると、それだけで私がすごく儲かっているように見られることがあるんですが、そんなこともなくって!それでも出店しているのは利益が出なかったとしても、イベントに参加すること自体は自分の経験値になるし、勉強になるからなんです。」
───利益よりも得られるものがある、というのは素敵です。利益よりも、やりたい!という気持ちが大切な場面もありますよね。
「もし活動できる環境を整えられそうで、やりたい気持ちがあるのなら大切にしてほしいです!イベント出店も作家も利益が出ないから出てはいけない、やってはいけないということはありません。だから利益だけを理由にイベントには出れない、と言われるともったいないなと思います。私のように、私生活を調整して多少無理をしながら続けている人もいるよ!と伝えたいです。」
───さいごに、記事を読んでいる方へひと言お願いします。
「インタビューをしてもらったから、私のことをすごい人なんだ、とは思わないでいただきたいです!
ハンドメイドを愛する人間の中から、たまたま声をかけていただき記事にしていただきました。
ここまで読んでくださってありがとうございます!どこかで作品を見つけていただけるようがんばります☺️」
───ありがとうございました!
“作ること”自体を愛してライフワークにしているhey*flower (ヘイフラワー)さん。長く作家を続けて来られた原動力は、お客様の声や要望に耳を傾けて、自分らしく作品に落とし込んでいく前向きさと、ものづくりが自分の中で生活の一部になっていることにあったように感じました。
今後のイベント出展、販売予定はぜひInstagramよりご覧ください。

hey*flower (ヘイフラワー)
Instagram https://www.instagram.com/hey__flower/