色をテーマに作品作りしてみませんか赤編
目次
この記事を読むメリットは以下の2つです。
・赤色の持つ基本的な意味や特性がわかる
・赤色の効果を作品に取り入れるアイデアがわかる
ぜひこの記事を読んで、赤色をテーマにした作品作りに挑戦してみませんか?
赤色の持つ意味や特性
・赤色の基本的な意味
人間が生まれて最初に認識できる色とも言われている赤は、光の三原色の一つでもあり、最も身近な色の一つです。
赤の意味には様々なものがあります。
自然物では、私たちの体内にも流れている血や、火、太陽、生命、物質的なエネルギー、また女性を表す色とも言われています。
現象としては、激しさを表すものが多いです。熱さ、強さ、情熱、興奮、力、攻撃、闘争心、戦闘、怒りなどがあります。
ポジティブなものでは、活動的、アクティブ、勇気、元気、やる気、前向き、行動力、達成感、自信、愛情、温情、快適さ、パワフル、インパクトなどが挙げられます。
赤は行動的な色なので、思考を現実化させたり、気分を高揚させたり、人の心や身体を高ぶらせ揺さぶるなど、心身に影響を与えます。スピリチュアルな部分もあったり、生と死を表したり、悪霊を防いだり、グラウンディング、第1チャクラの色(骨や生殖器といった身体の基盤と関係する)としても表されています。
政治的には左翼や社会主義、共産主義、革命などの意味合いを持っています。国旗に使われる際には、愛情、博愛、流された血を意味することが多いです。
・国ごとに違う赤色の意味
赤色は、国や地域で意味が全く変わることがあります。
西洋文化では興奮、エネルギー、行動、愛、危険を意味します。
アジアでは、赤は非常に重要な色とされており、幸運、喜び、富、繁栄、祝祭、幸福、長寿の象徴として大切にされています。
中国で赤は縁起の良い色として人気で、幸運・祝賀・召集といった意味があります。 少し前の中国では正月近くになると、赤色と金色のインキが大量に消費されていたそうです。 結婚式の際は、花嫁は何か赤色のものを身に着けることが普通で、お年玉の封筒も富を表す赤色を使うことが多いようです。
インドでは純粋、官能、スピリチュアル、イランでは幸運、勇気、エジプトでは誘惑、ロシアでは共産主義、革命といった意味があります。 ただ、南アフリカでは喪や死、ナイジェリアでは生命力の他に侵略、ケルト民族では死・来世、といった意味があります。
では、赤色が昔の世界や神話ではどう捉えられていたか見てみましょう。
古代エジプトでは、太陽を運ぶ船を護る神である『セト神』が戦いの神として崇められていました。その船が赤色をしていたそうです。
ローマでは豊穣神のマルスやバッカス、処女神ディアナが赤色の衣類を身に着けているという伝説が残っています。
北欧ではトール神と呼ばれるとても強い力を持つ神が、赤い髭をつけてハンマーをふるって雷や稲妻を起こしていました(怒りを意味しているそうです)。
日本でも古くから赤色は鳥居などにも使われていますよね。
鳥居で有名な伏見稲荷大社では、赤色は稲荷大神が持つ豊穣の力を表す色とされているようで、災いを防ぐ魔除けの意味合いもあるそうです。
また、日本の仏像で有名な、怒りを表している不動明王の衣は赤色ですし、炎も赤色です。日本の太陽神・天照大神にも、赤い衣を纏っている絵画が存在しています。
このように、赤色の捉え方は国や人種、時代によってに捉え方が違います。
そして、全てが前向きの意味ではありません。
そのため、国際的なデザインや、出関連のデザインを考える際は、対象となる国や人種が捉える色の意味を良く理解した上でデザインしましょう。
下手をすると、デザインに語弊が生まれる可能性もあります。これは全ての色に言えることなので、気を付けましょう。
赤色の効果を作品に取り入れるとしたら?
赤は暖色という部類の色です。赤色を見ているだけでも暖かさを感じ、赤で囲まれた部屋に入ると体感温度が2~3℃上がるという研究結果もあります。
これは赤の光が「交感神経」を刺激する事で脈拍を上げ、血流が良くなるからだそうです。
しかも見えなくても効果があるそうで、赤い下着等でも着用するだけでも冷えなどを抑えられると言われています。
インナーウェアを作る際は、赤色で作ってみても面白いかもしれません。
また、赤は購買色でもあります。
購買意欲を掻き立てるため、売り出しやセールなどの文言は大体赤で書かれています。作品のパッケージに使ったり、ハンドメイドイベントの宣伝に使ったりなどできそうですね。
赤は自己主張が強い進出色でもあり、人間の視覚に強い刺激を与え、実際の位置よりも近くに感じられるため、単独でも非常に目立ちます。
注意を引きやすいため、信号機などの交通標識やパトロールランプ、消火器などの危険を表すサインや、注意を促す案内サイン、警告メッセージとしても頻繁に使われます。
注意を引いてもらいたい作品のテーマカラーに、赤を採用するのも良さそうです。
赤はエネルギッシュで外交的な印象も与えやすいです。
アメリカの大統領選など政治的な機会やビジネスの場などはネクタイなどに取り入れることもあります。
ネクタイを作る機会があったら、一回はぜひ赤色を使ってみても。
赤は波長が短く強いエネルギーを持ち、行動力ややる気、前向きな感情や強い感情を引き起こす色でもあるので、スポーツのユニフォームに採用されることも多いです。
力強さや情熱を表現するにも最適で、速さやスピード感を伝えたり、エネルギッシュな印象も与えたりします。
スポーツに使う衣類や道具、お守りなどをハンドメイドする際は、赤を取り入れてみては?
また、赤は2023-24年秋冬のトレンドカラーでもあります。この冬のソーイングや編み物にトレンド感を出したいなら、赤色を使ってみるのもおしゃれですね。
ただし、赤色はその強烈なインパクトから、過度に使用すると、激しい刺激や重苦しい印象を与えることもあります。
このため、リラクゼーションや安心感を作品で表現したい際は、赤色は避けた方が無難です。
また、無意識的に緊急性や重要性を引き起こす色でもあるので、冷静な判断が求められる場面では、赤をいっぱい使ってしまうと、判断力を妨げることもあるので避けておいた方が良いでしょう。
赤色には、このように気を付けるべき側面もありますが、基本的には元気いっぱいな色で、前向きな気持ちになれる効果があります。
ぜひ赤色の特性や意味などを理解しつつ、作品や宣伝に効果的に取り入れてみてはいかがでしょうか。
参考ページ
色彩心理学における色の意味・効果|色が与える影響も解説(資格のキャリカレ)
三星インキ株式会社 色がもたらす影響や意味合い「赤」(活版印刷研究所)
カラーイメージを味方につける(DICカラーデザイン株式会社)
国や地域で違う シンボルカラーの持つ意味 とは?(shutterstock)
デザインに影響を与える赤色の特徴について(PR 3日でわかる!デザイン学校解体新書)
2023年秋冬のトレンドカラー「赤」を纏いたくなる深層心理とは? 幸運を放つ色のパワーをカラーセラピストの志村香織が解説!(VOGUE JAPAN)
PERSON
ある・みるライター目玉屋