『ソーイングビー』のレビュー
目次
- 1.「ソーイングビー」とは
- 2.思わずつくりたくなる魅力
- 3.誰かとつくるってワクワクする
- 4.さいごに
あなたは裁縫バトル番組、『ソーイングビー』をご存じだろうか。
今回はハンドメイドのみならず、モノづくりが好きな人にはぜひ観ていただきたい、イギリスで人気のワクワクと感動が詰まった裁縫リアリティショー、『ソーイングビー』をオススメさせてください。
『ソーイングビー』とは
イギリスで2013年にスタートしたアマチュア・裁縫バトルドキュメンタリー番組。
イギリス中から募った数千の応募者の中から裁縫自慢たちを選りすぐり、素材と裁縫道具の詰まったソーイングルームを舞台に、それぞれの腕前を駆使して優勝を目指します。
1回戦毎に3つの課題──指定された型紙を使用した作品、リメイク、そしてモデルに合わせた洋服の制作を決められた制限時間内で作成。
3つの課題を通して裁縫のプロが審査し、ある者は次のバトルへ進み、ある者はソーイングルームを去ります。
現在AmazonPrimeでは第4シーズンまで配信中。(本国では第7シーズンまで制作)

思わずつくりたくなる魅力
バトルの舞台となるソーイングルームには様々な柄や素材の布、フリル、ボタン、リボンやファスナーなどの素材が詰め込まれた部屋が併設されていて、参加者は課題に合わせて選んでいきます。
この素材を選ぶシーンだけでも、自分ならどんな布や素材を選ぶだろう、なんて考えてワクワクしてしまいます。もちろんリメイクでも。
課題として与えられる衣類を自分だったらどんな服に変身させようかなと考えることでしょう。
番組の構成自体も、各回のバトルが①基本に忠実な型紙を使う、②レシピのある課題から想像を豊かに巡らせリメイクをする、③臨機応変な対応も必要なモデルの体形に合わせて制作……といった、ハンドメイドの作品をつくる際に選ぶ「作り方のパターン」を踏まえているのもポイント。
3つのどれかしらが自分で作品を制作している時と重ねて考えやすいことから、観ていて何か作りたくなってしまう要因かもしれません。

誰かとつくるってワクワクする
参加者たちは性別も年齢も裁縫歴もバラバラ。
裁縫をはじめて数年という方もいれば、アマチュアとはいえプロ顔負けのテクニックを持つベテランも参加しています。
しかし、殺伐さは全くありません。
勝敗を決める番組ではありますが、それぞれが懸命でありながらも時に助け合い、お互いの作品を認め合うどこかあたたかな雰囲気の中で制作に取り組んでいます。
悩み、焦り、失敗して泣きたくなる参加者に隣のテーブルから助け船を出す姿は、日本の番組では(少なくともこれまで制作された日本の番組では)なかなか見られない姿ではないでしょうか。
彼らはライバルでもあり、裁縫を愛する仲間でもあります。
その証拠に、脱落者に対してもこれから一緒に戦えないことを心から残念がって、涙する場面もあります。
作品を作るって、どこか孤独なものです。その孤独が悪いものではないにせよ、孤独な作業だからこそ、お互い助け合いながらいきいきと制作している参加者たちの姿を観ていると、誰かとつくるってワクワクするなと感じました。
これは少しだけネタバレになってしまいますが、決勝戦の発表の際にはそのシーズンで脱落した仲間たちや家族、友人たちが集まります。
このシーンがまた心打たれるのです。
さいごに
シリーズ物の番組はつい作業用BGMにしたくなるものですが、ソーイングビーのいちファンとしては、手が止まってしまうので休憩時の視聴をおススメします!
観ることでちょっとやる気が出たり、ハンドメイド愛がちょっと高まったりするような素敵な番組なのでぜひ観てみてください。