デザインフェスタvol.62｜あ、このブース気になる。アイキャッチが印象的だった展示たち
アートとモノづくりの祭典「デザインフェスタ vol.62」が、2025年11月15日・16日の2日間、東京ビッグサイト西・南館で開催されました。両日10時から18時まで、約6,500ものブースが並び、会場は多彩な作品と作り手の熱気に包まれました。
今回は、ある・みるメディアの取材で出会ったブースの中から、とくにディスプレイのアイキャッチが印象的だったブースをご紹介します。
■猴人魚
台湾から出店！
食べ物をもちっとした生地でぬいぐるみやポーチに。
思わず触れたくなる美味しそうでかわいい作品を展示するブースのアイキャッチは、屋号の「猴人魚」のぬいぐるみ。
「魚」の田の部分はキャラクター風にお顔がデザインされていました。ベースのイエローに対し屋号は青みがかったパープルで視認性も高めで、なおかつかわいい。
思わず立ち止まりたくなるアイキャッチです。
■カケス舎
元野鳥ガイドさんが制作している野鳥モチーフのハンドメイド作品。
アイキャッチは100円均一のトートバッグをベースにしています。
トートの底面を内側に折り込んで変形させることでフラッグ風に。そこへ屋号と、屋号になっている鳥の種類であるカケスのイラストをペイント。トートのハンドルを木にかけているところは、野鳥が暮らす自然の森林を想起させる仕掛け。ふと底面に目をやると、小さな木の実が吊るされている。これはカケスの好物の木の実とのことで、カケスや野鳥への愛の深さを感じます。
■Quri(キュリ)
背面のパネルは無地でシンプル。そのパネルへローマ字のバルーンを貼り付けることで屋号のアイキャッチに。
シンプルで手軽にチャレンジ出来るアイデアですが、実際目にするとバルーンのぷっくり感がかわいい。作品であるトレカケースのホイップのデザインや、フリルの柔らかな雰囲気にもマッチしています。
■メンダコよろず屋
メンダコを中心とした生き物たちのイラストを使ったグッズやアクセサリーを制作。
アイキャッチとなる看板の素材は100円均一で購入のプラダン。レーザーカッターでカットしたそう。
ベースは夜の海のような深いブルーで、そこへ重ねる屋号の部分を無着色にすることで新海をイメージさせるコントラストに。
非売品のメンダコのぬいぐるみもブースのアクセントになっています。
■ステンドグラス仙臺ガラス工房
今回の取材で筆者が一番驚いたアイキャッチは、仙臺ガラス工房さんのシート状の電光掲示板！L字スタンドに吊り下げていました。
専用アプリに登録したテキストを表示させているのだとか。複数パターンのテキストを組み合わせて流すことが出来るのでとても目を引きます。
もともとは趣味のカー用品として購入されたとのことですが、聞けばお値段も思っていたよりお手頃。電光掲示板をブースのアイキャッチに出来る時代が来ていることに、シンプルに展示という文化の進化を感じました。
■SPRING HOUSE
「一年じゅう春のお店」、布製の枯れないチューリップを制作するSPRING HOUSEさんのアイキャッチは大きな刺繍枠を使ったパッチワーク風。
チューリップカラーで屋号を縫い付けているのですが、生地の柄が文字によって異なるところもかわいい。
ブース自体も世界観が整えられていてクオリティが高い中、アイキャッチとしての紹介では勿体ない気もしてしまうけれど、アイキャッチがとても筆者好みだったのでこちらでご紹介いたします。
展示する作品自体をアイキャッチにするアイデアは、作品の世界観そのものでもあるのでおススメ。この秋のデザインフェスタでも見ることが出来たので、ご紹介いたします。
■みちばた雑貨店
標識をモチーフにした作品を展示・販売しているみちばた雑貨店。
アイキャッチになっている大きな標識はベニヤ板を着色し制作した作品。
背景のパネルのパキッとした色合いのブルーともよく合っているため、作品とディスプレイの境界が曖昧に感じ、もはや作品含めたブースそのものがアイキャッチになっている。
■オリガミデザイン
池山崇宏(いけやまたかひろ)氏が代表を勤めるオリガミデザイン。
こちらも商品とアイキャッチを兼ねていた。
手漉きの和紙を使ったあたたかな風合いのランプシェードは、イルカとクジラをモチーフにしている。ブースが会場の照明を落とした暗いエリアにあるため、高く掲げることでまるでイルカとクジラが暗い海を泳いでいるように見える。高さがある分、通路を歩いていても目に入りやすく、思わず引き寄せられてしまうミステリアスさも。
さいごに
どのブースも、自分の作品の延長線のようにハンドメイドをしたり、これもアイキャッチになるかも！というひらめき、その人ならではの“目を引く工夫”が詰まっていました。
今回のご紹介が、今後のディスプレイづくりのひらめきのきっかけになりますように。
PERSON
美味しいものと、ものづくりが好きな30代。シーリングスタンプとパンチニードルは沼
