スマホひとつで、作品写真が変わる。『スマホでカメラ手帖』レビュー
「撮ってみたけど、なんかパッとしない……」
ハンドメイド作品を写真に収めるとき、そんなもどかしさを感じたことはありませんか?
販売サイトやSNSで作品を魅力的に見せるために欠かせない作品の写真。今回は2025年10月に発売した、スマホだけで作品の魅力をぐっと引き出せる『スマホでカメラ手帖』をレビューします。
「スマホ写真で引き出す ハンドメイド作品の魅力」

本書の著者であるRome .photographを運営するカメラマンのmisatoさんは、初心者向けカメラ講座を2020年にスタート。これまでに250名を超える受講者が参加してきました。受講者はECサイトを運営していたり、ハンドメイド作家として作品撮影に悩んできた方が少なくありません。
misatoさんが受講者一人ひとりの悩みに寄り添い、ともに見つけてきた“解決の糸口”が、表紙に掲げられた「スマホ写真で引き出す ハンドメイド作品の魅力」という言葉どおり、この一冊には丁寧に詰め込まれています。ハンドメイドの魅力を写真で伝えたい――そう考えている作家さんに、ぜひ手に取ってほしい内容です。
機能だけではなく“考え方”を学べるハウツー
写真を学ぼうとするとき、多くの人がまずカメラの機能や設定に目を向けてしまいがち。 本書をおすすめしたい大きな理由は、その先にある「考え方」を伝えていることです。特定の機種やアプリに依存せず、手持ちのスマホでの撮影を前提に、光の扱い方や構図の捉え方など“写真の基本”を丁寧に解説してくれています。
撮影前の準備から撮影後の調整まで、iPhoneでもAndroidでも変わらず活かせる内容で、実践的な知識と困りごとの解決のヒントが詰まっています。
たとえば、太陽光を上手に取り入れるコツや、自宅でできる簡易スタジオづくり。夜の室内で作品の色味が変わってしまうときの対処法、金属などの光沢素材の反射を抑える工夫、複数枚の写真に統一感を持たせる撮影方法など、作家が直面しやすい悩みに寄り添った内容です。
「思っている色が写真で表現できない」
「アクセサリーや金属パーツが反射してうまく撮れない」
「何枚撮っても統一感が出ない」
そんな“自宅撮影のあるある”も、身近なアイテムと少しの工夫で寄り添うように解決へ導いてくれます。

さいごに
もちろん、本書に書かれたすべての方法が、すべての人の悩みにそのまま当てはまるわけではありません。
それでも、機種を問わず学べる基本と、misatoさんがこれまで多くの受講者に寄り添ってきた経験から生まれた“すぐに実践できる工夫”が数多く紹介されています。きっと、その中から自分のスタイルにしっくりくる方法が見つかるはず。
作品撮影に悩んでいる方はもちろん、「写真をもう少し上手に撮りたい」と感じている方にもおすすめの一冊。作品の撮り方”を見直すきっかけとして、ぜひチェックしてみてください。
『スマホでカメラ手帖』(Rome .photograph misato/339PLANNING)
価格:ペーパーバック 2,200円(税込)/ Kindle 1,760円(税込)
・Kindle
https://amzn.to/4oy4SeY
『スマホでカメラ手帖』出版記念イベント開催決定!
撮影ワークショップと交流会のカフェタイムにぜひご参加ください。
https://shop.339planning.com/items/121591853?utm_source=media&utm_medium=art&utm_campaign=2025arumiru1
Rome .photograph misato

大阪芸術大学 芸術学部 写真学科卒 香川県出身。高校時代に出会った恩師の影響からカメラに興味を持つ。大学では写真専攻、卒業後はフォトスタジオ数社に勤務。
2015年よりRome .photographとして独立。カメラマン以外にもカメラ講師としても活動し、2020年からスタートした初心者向けオンラインカメラ講座では、これまでに250名以上が受講。撮影現場やカメラ講座での知見を活かしたオリジナルカメラグッズの企画、販売も行い「思い出すと頰がゆるむ記憶を届ける写真屋さん」をコンセプトに活動している。
Instagram:https://www.instagram.com/romephotograph/

