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さて、雑貨屋を始めてみたものの、どこで何を仕入れたらいいのかわからない。
そこで私は、名古屋中の素敵だと思う雑貨屋に訪問販売ならぬ、訪問教えを乞う修行? に出かけます。
若さってすごいですね(笑)
いまだったら、本やネットで調べます。
しかしその時代そのようなものは無かったのです。
しかも、雑貨屋のお金をだしてくれた社長にきいても、【それを調べることから仕事だ。経営ってそういうこと】とのことです。

そうなんです。何かを始めるって、判断するのも良いかわるいか最終的に決定するのも全部自分なんです。
なので結局人に騙されようが、それは 決定した自分に責任があるんです。
その分自由ですが、実は 自由ってただ自分勝手に好き放題やることではなく自分でしっかり判断し自分で責任をとり、自分で考えて動く。
この3点そろって初めて本当の【自由】が待っているんです。
と今となってはいえますが、当時はそんなこと考える余裕もありませんでした。
まあそんなで、1件ずつふらふらいいお店に入っては、聞いて回りました。
親切に教えてくれるお店もありましたし、は??アホなの?扱いもされました。
そして割と大手な会社(しかし今は無いと思う)にはひどい扱いもされました(笑)
学生の遊びに付き合ってる暇ないし、うちはあなたみたいな人とは付き合いできません。
と言われて、野良猫みたいに、しっしとやられたこともありました。

そうか、野良猫はこんな気分になるんだなあと野良猫気分がわかりました。
そのため、私は道で、野良猫をみかけたら優しく接するようになりました。
そして、わかったことがありました。
商品を仕入れは、色々やり方があるけども、ロットというものが必要と。
そして、小売り 卸売り 何掛 そういう専門用語が存在するってこと。
当たり前ですが、1000円で私たちが購入しているものは、お店が、メーカーさんから安く買うのです。
そして安く買える分、大きい単位で買うのです。
お店は、メーカーから仕入れた価格と、小売り(すなわちエンドユーザーに販売する)差額が利益となります。
そして、メーカーから直で仕入れできることは少なく、間に 代理店や卸売り業者というものが存在するのです。
本来ならそんなこと本で調べたらすぐわかるのかもしれません。
しかし、私は前もお伝えしたように、識字障害があります。
本をみながらだったら意味がわかるのですが、その後本の内容は覚えることができないのです。
なので、いつも本を覚えないといけないときは、頭の中で完璧に理解をしながら本を読み、本の内容を自分で漫画にして、イメージに変換、そしてようやく頭に入るということを繰り返してきました。
漫画とイメージは覚えることが出来ます。
※この障害は、当時は気づかず、私は知能が低いんだと思ってましたが、40過ぎて落語習い始めて、落語の先生に指摘され始めて知ったのです。
商売に関しては、時間の余裕があまりないので、本を理解して漫画にする時間がないため歩いて聞いて回ったのです。
なんとなく社会の流通の仕組みを理解することができました。
なるほど、卸売りは1点あたりの利益が少ないから、数を売って売り上げを稼ぐ。そして数で利益をだす。
小売りは、1点あたりの利益が多い。
メーカーは、いろんな小売り店や卸売りが出来るから、売上が大きい。
しかし卸売り業者や代理店に卸すと、利益が少ない。設備投資などにお金がかかるし、売れない商品があると、当然小売りも卸売りも買ってもらえない。
なるほど、目指すならまずは小売りで売り方を覚えて、その後、何か売れるかのポイントを押さえて小売り店に売り方も教えれるような卸売り会社。そしてゆくゆくは、小売りも卸売り会社もみんなが利益出せれるような商品を作ることだなあ……なんてその当時思いました。
とにかく、売り方を一生懸命覚えよう。
そんなこんなで、私は視点を変えて雑貨屋をまわりました。
