今年のクリスマスはなにを食べる? 世界で愛されるクリスマス伝統のお菓子たち
年の終わりにやってくる華やかなクリスマス。今回はクリスマスを彩るモチーフの中から、日本で親しまれるショートケーキ以外のクリスマスの時期に楽しむ世界各国のお菓子について紹介したいと思います。
■シュトレン/ドイツ
ドライフルーツがたっぷり入った日持ちのするパン。ドライフルーツはブランデーなどのお酒に漬け込まれていて、パンの表面には白い粉砂糖が振られています。この粉砂糖は赤ちゃんの頃のイエス・キリストの真っ白なおくるみを表していると言われています。由来はクリスマス前の断食をする期間、修道院で食べられていた粗食。
日持ちがするのでクリスマスのひと月ほど前に作り、薄く切ってクリスマスに向けて少しずつゆっくり食べるのが伝統的な楽しみ方です。
■ブッシュドノエル/フランス
日本でも聞き馴染みのあるブッシュドノエルは、仏語で「クリスマスの薪」という文字通り薪の形を模しているケーキ。
12世紀頃にフランスのアルザス地方ではじまった、クリスマスの前の晩から一晩中火を絶やさないために固い薪を選んでリボンなどで飾り付けた習慣が由来です。聖水などで祝福をあたえて火に焚べ、その暖炉の灰をお守りにしていたそうです。やがて暖炉が使われなくなり、いまの薪を模したブッシュドノエルになったといわれています。
■クグロフ/オーストリア
干しぶどうが入った、王冠にも似た帽子型のパン。
東方の三博士がイエスキリストの誕生を祝うため泊めてもらったお礼に焼いたパンが起源といわれています。フランスやドイツでも食べるお菓子ですが、発祥はオーストラリア。オーストラリアからフランスへ嫁いだ際に持ち込み、とても愛していたお菓子のひとつとして知られています。
■クリスマスプディング/イギリス
名前に「プディング」とついていますが、日本で食べられるプリンではなく、ドライフルーツやナッツがたっぷり入ったイギリスのクリスマスケーキです。ケーキ自体も濃厚ですが、さらにブランデークリームをかけてさらに濃厚さを増して食べるそうです。
伝統的な作り方は、クリスマスの4週間前に家族みんなで作るというもので、願い事をしながら材料を交代で混ぜ合わせます。それをクリスマス当日まで熟成、温めて食べます。
■パネトーネ/イタリア
イタリアのクリスマスの定番お菓子は「大きなパン」という意味をもつパネトーネ。
ケーキとパンのちょうど中間のような食感のドーム型の生地に、オレンジやレーズンなどのドライフルーツが練りこまれています。
本場のパネトーネには「パネトーネ種」という自然酵母が使われており、優しい食感や香りだけでなく約6ヶ月も保存が出来る秘訣なのだそう。イタリア系移民の事業化が持ち込んだことから、ブラジルなどの南米でも親しまれています。
■トゥロン/スペイン
トゥロンはクリスマスのディナーの後、食後酒や濃く淹れたコーヒーとともに楽しむスペインのクリスマスの菓子。アーモンドなどのナッツ類を焙煎し、蜂蜜、卵白、砂糖を使って作るヌガー菓子です。固さの異なるものやココナッツを固めたものなどバリエーションが豊富で、キューバやメキシコといった中南米の元スペイン植民地でもクリスマスのお菓子として根付いています。
さいごに
日本では馴染みのないものから、耳にしたことがあるものまで世界では様々なクリスマスのお菓子がそれぞれの土地で愛されています。
ハンドメイドのモチーフとしてはもちろん、実際に作ったりお店で購入して新たなクリスマスの楽しみ方に加えてみてはいかがでしょうか。