イベントレポ 逗子アートフィルム上映会2022
素晴らしい芸術作品を鑑賞する機会に恵まれた。
10月8日土曜日
逗子アートフェスティバルのイベントの一つとして逗子アートフィルムの上映会が開催。
本日は初日ということもあり、オープニングイベントが開かれた。
オープニングイベントでは、市長の挨拶、実行委員長の挨拶や、フェスティバルの共同代表の挨拶などが
行われた。
そして協賛の発表では、当アプリの名前を読み上げてもらい、なんとも言えない嬉しさが
こみ上げた。(まさか読み上げてもらえるとは思いもしなかった)
逗子アートフェスティバルとは、市と市民による、協働事業とのこと。
市と市民の距離感の近さを感じた。
会場の電気が落ち、ポン、ポンと静かな音が流れる、それが一つの音楽となっていく
黒い画面に映しだされる白い○や□
何が一体始まったんだろう?
世界観に目を奪われた。
私は、【芸術鑑賞モード】に頭を切り替え出した。
説明しよう。
【芸術鑑賞モード】とは、固定観念を払拭し、ありのまま見える作品を取り込むべく
頭を空っぽに、どちらかというと、魂を肉体から抜いて、何も考えることなく
鑑賞するモードのことである。iphoneで例えるならば集中モードのようなものである(多分)
芸術鑑賞することでアーティストから感性の一部をもらうと私は考えている。
感性は、自分の中の細胞に取り込まれ、体の隅々に行き渡り
自分という人間が芸術を鑑賞する度に深く広がっていくのだ。
1作品目
【Forest and Trees Movie Var】
ポンポンという心地よい音が、【芸術鑑賞モード】への切り替えを促してくれる。
空間内に12台のデジタルフォトフレームが配置され、音楽が形作られていく映像作品。
なんだろう・・・?画面に夢中になる。
気づくとすっかり【芸術鑑賞モード】が出来上がっていた。
この観賞会の
構成を練った人は、こんなことも計算の上で作品の順序を組み立てているのだろうか?
天才ではなかろうか。
続いての映像作品に切り替わる。
2作品目【猫の記憶】
不思議なことに、頭を空っぽにすると、まるで自分が画面の中の人になったような気がしてくる。
2本目の作品は、いなくなった愛猫「ネル」の捜索劇。我が家も猫を飼っているため
一緒に猫を探しているような気分になってきた。猫よ、早く戻ってこい。
そして、3本目の作品。
【海は見ていた】
心が痛くなった。作者自身の療養時の記録や詞をもとに作られた映像作品。
心の悲鳴がまるで聞こえてくるようだった。なんと声を掛けたら良いのだろうか。
虚無感とやるせなさ、そして目の前に広がるのグレーの世界。
少しでも光を見つけて、一歩踏み出してくれるといいのだか。
他人がとやかく言っても、本人をより追いつけめるだけだ。
なので、見守ること。深く考え込んでしまった・・・
そして、映像は次の作品へ・・・
4作品目
【アトモス】
蛾が見た海の夢。海の中。大気や水の動きなど、生命を感じる作品だった。
海藻から溢れ出す、無数の空気。プランクトン。
私たちが見えない場所でも世界は確実に 生きている。
この地球に暮らしているのは、人間だけじゃないのだ・・
そんな事を思った作品であった。
5作品目
【わたし/あいだ/わたし】
監督本人の祖母の家で撮影された作品。
小さな時に聞いた戦争の話、家の思い出・・、昔の家ってこうだったなあ・・
おばあちゃんはあの世で元気にしているだろうか。
監督と同じく小さい頃から戦争の話を聞いて育った私としては、
映像の中の人気分になってしまった。
そして、本当にそこにお化けがいるような気がして少し体が震えた。
【ベッドタウンの神様 in 低俗の森】
空気が一転し、なんとも言えない世界観の映像。
ファニーな登場人物に目をとられた。次々と映像が変わっていく7つの映像によって構成されていく作品。
この世界観はすごいなあ・・なんだか無性に楽しくなってきたぞ。
お酒を飲んでいたら、間違いなく踊り出していたに違いない。
そしてラストの作品
【6:13AM】
1日おきに、6時13分の風景を定点観測。
毎日走っている人、いつしか挨拶を交わす仲になる人。
ああ、なんか逗子っていいなあ・・私もラジオ体操に行ってこようかな・・
ほのぼのした気分に浸れる作品だった。
たった90分で、私の感性や感覚が7倍くらい深くなったような気がした。
贅沢な時間を過ごさせてもらった。
同じ時間を共有した人たちと何か特別な繋がりができたような気がした。
機会があれば、あーだ、こーだ語り合いたいものである。
帰り道、若い女性が二人、たった今 鑑賞した映像作品に
ついて語りながら歩いていた。
ちょっと羨ましかった。
次回は私も誰かを連れて鑑賞へ行きたい。
「らせんの映像祭」を主催する、逗子アートフィルムは、
現代美術の映像作品の上映、ワークショップ、レクチャーなどの活動を行っています。
※逗子アートフェイスティバルとは2013年から毎年開催されている市民と市の協働事業です。
※逗子アートフィルムとは、逗子アートフィルムは、逗子アートフェスティバルから生まれた活動
ここでは、様々な映像表現のレクチャー、上映、ワークショップなどの活動を行っている。
活動の一部として10月8日上映会が開催。
詳細は、https://artfilm.jp/
上映作家:大西景太、内海拓、仲本拡史、深田隆之、本藤太郎、宮田涼介、山下つぼみ(敬称略)
イベントレポ 作成者 小代有美